ひとづくりのまち井原

矢島 里佳|株式会社和える 代表取締役

これからの「ひとづくり」におけるポイント

持続可能なまちづくりのためには、町への愛着を育むことが重要です。その町で生きている子どもたちが、自然と町への愛着を持って大人になれる環境が、活気あふれる町づくりにつながります。大学進学などで一度町を出ても、それまでの間にシビックプライド、つまり町への愛着を育むことができていれば、将来自分で町へ戻ってきてくれたり、関係人口としてつながりを持ち続けてくれたりと、必ず何かしらの形でご縁はつながります。では、町に愛着を持ってもらうためには、何をすべきなのでしょうか。さまざまな要素がありますが、日本全国の地域を訪れて感じるのは、未就学児の頃から、町の文化や伝統に触れられる機会を育むこと、日常的に両親以外の町の大人たちと関わる機会を育むこと、地域のお祭りに参加してもらえる機会を育むことは、特に大切だと感じます。ぜひ、町で生き生きと楽しそうに暮らしている大人の背中を見せて差し上げてください。

                                                                                                                          

井原の子ども(若者)&大人たちにメッセージ

井原市の幼稚園で行う、地域の伝統ものづくりを知り体感することを通して、非認知能力を高める、aeru schoolの開発で携わらせていただきました。このプロジェクトを通して感じたことは、子どもたちへの教育はもちろんですが、まずは大人たちが改めて自分たちの地域について、知り、誇りを持てる機会を生み出すことが大切だということです。

長く住んでいても意外と知らないこともあると思います、もしかしたら長く住んでいるからこそ、当たり前になりすぎて深く知ろうとしていないのかもしれません。改めて当たり前を見直し、自分たちが楽しみながら地域の魅力に出逢うことが、ひいては子どもたちが地域への愛着を持つことにつながるのではないでしょうか。子どもへの教育だけではなく、ぜひ親子で地域の伝統ものづくりの魅力に気が付ける、学びの機会を生み出してみてはいかがでしょうか。

プロフィール・略歴

1988年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。職人と伝統の魅力に惹かれ、日本の伝統文化・産業の情報発信の仕事を始める。大学4年時の2011年3月、「日本の伝統を次世代につなぐ」株式会社和える創業。幼少期から感性を育む“0歳からの伝統ブランドaeru”を立ち上げ、日本全国の職人と共にオリジナルの日用品を販売。事業承継リブランディング事業で、地域の地場産業を次世代につなぐ仕事に従事。伝統を通じて、ウェルビーイングな生きると働くを実現する、講演やワークショップも展開中。事業拠点は東京、京都、秋田。

2015 年 第 4 回 日本政策投資銀行(DBJ)「女性新ビジネスプランコンペティション」にて、女性起業大賞受賞
2017 年 第 2 回 APEC「APEC BEST AWARD」にて、APEC best award 大賞、Best social impact 賞をダブル受賞。京都市文化芸術産業観光表彰「きらめき大 賞」を受賞。
著書『和える-aeru- 伝統産業を子どもにつなぐ 25 歳女性起業家』(早川書房)、『やりがいから考える 自分らしい働き方』(キノブックス)その他 3 冊あり。

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